翻訳家による英文和訳講座

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 翻訳家による英文和訳講座 (マガジンID:0000151375)

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政治、法律

 

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こんにちは。発行者のzukkaです。もうすぐ花見のシーズンですね。私の住むシドニーでは、ここ数日奇妙な天気が続いております。数日前は2日連続で激しい夕立と雷。昨日は雨も降っていないのに雷がごろごろと鳴っておりました。今日も少し肌寒いのですが、気合を入れてがんばっていきましょう!

 

<<課題>> まずは自分の力で読解・翻訳してみましょう。

With demonstrators shouting religious slogans outside, Supreme Court justices questioned, argued and fretted Wednesday over whether Ten Commandments displays on government property cross the line of separation between church and state.

 

<<解答欄>> 解答を記入し、後で自分で添削してみましょう。

 

 

 

 

 

 

<<読解の手順>> 解説が不要な方は、下の<<翻訳してみよう>>まで飛んでください。

With demonstrators shouting religious slogans outside, Supreme Court justices questioned, argued and fretted Wednesday over whether Ten Commandments displays on government property cross the line of separation between church and state.

Withときた時点で、この文では句が先に来てその後主節が来る独立分詞構文の付帯状況だと分からなければなりません。Withの後ろには名詞が来て、その後にshoutingという分詞が来ていることから、付帯状況を表す(With O C)の句が形成されていると分かります。With demonstrators shouting religious slogans outsideの意味は、「demonstratorたちがoutsideでreligious slogansを叫んでおり」という意味です。

 

(With demonstrators shouting religious slogans outside), Supreme Court justices questioned, argued and fretted Wednesday over whether Ten Commandments displays on government property cross the line of separation between church and state.

次に、主語は何かという問題ですが、これは、questioned(質疑した), argued(議論した) and fretted(悩んだ)という動詞の並列を見れば、その直前までのSupreme Court justicesが主語だと分かります。Questionしたり、argueしたり、fretしたりするのですから、Supreme Court justicesは人でなければなりません。ここで、justiceの意味がわからない人は辞書を引いてください。そうです、人を指すjusticeは「判事」です。

 

(With demonstrators shouting religious slogans outside), Supreme Court justices questioned, argued and fretted Wednesday over whether Ten Commandments displays on government property cross the line of separation between church and state.

次に、overという前置詞が気になります。前にargueという動詞がありましたが、これは皆さんご存知のように、「議論する」という意味です。この「議論する」という動詞は、over「〜について」という前置詞と相性が良いので、2つ合わせて「〜について議論する」という意味に取れます。では、一体何について議論したのかということですが、これは後に来る、whetherが率いる疑問詞節が表しています。

 

(With demonstrators shouting religious slogans outside), Supreme Court justices questioned, argued and fretted Wednesday (over whether Ten Commandments displays on government property cross the line of separation between church and state).

次に、疑問詞節の中を見ていきます。Ten Commandmentsというのは、「(キリスト教やユダヤ教の)十戒」という意味ですから、次のdisplaysは動詞だと判断されます。

次にon government property(政府の所有物・所有地に※今回は、課題文だけを読んでもわかりませんが、この記事でいうgovernment propertyが、小学校の建物や法廷を指しているということは原文から読み取れます)という前置詞句があり、その次に来るのがcrossという語です。このcrossという語には、「横切る」という動詞の意味も「十字架」という意味の名詞の意味もありますから、どちらか判断しなければなりません。

結論から言うと、crossの後にも名詞のthe lineが来るので、ここでのcrossはthe lineを目的語に取る他動詞だと判断できます。名詞の後ろに名詞が来るということは特別な場合を除いてありえませんから。また、cross the lineを一まとめにすれば、「線を越える」という表現ができます。

そこで新たな問題が生じてきます。その問題とは、crossという他動詞の主語は何なのかという問題です。述語動詞は1文中に1つと決まっていますから、実はdisplaysは動詞ではなく、名詞だったということになります。つまり、Ten Commandments displaysが主語で、crossが述語動詞だったということになるのです。

 

<<読解最終チェック>>

(With demonstrators shouting religious slogans outside), Supreme Court justices questioned, argued and fretted Wednesday (over whether Ten Commandments displays on government property cross the line of separation between church and state).

直訳:(デモ隊が外で宗教スローガンを叫んでいる時)、最高裁判事たちは水曜日、(政府の所有物への十戒の掲示が教会と国家の分離線を越えているかどうかについて)、質疑し、議論し、頭を悩ませた。

 

<<翻訳してみよう>> 先程の直訳を手直しして、より自然な文に書き換えましょう。いくら内容を正確に訳し上げても、自然な日本語になっていなければ翻訳とは呼べません。

直訳:デモ隊が外で宗教スローガンを叫んでいる時、最高裁判事たちは水曜日、政府の所有物への十戒の掲示が教会と国家の分離線を越えているかどうかについて、質疑し、議論し、頭を悩ませた。

翻訳:デモ隊が外で宗教スローガンを叫ぶ中、最高裁判事たちは水曜日、政府の所有物への十戒の掲示が宗教と政治の分離線を越えるものかどうかについて、質疑し、議論し、頭を悩ませた。

青:より簡潔な表現を用いましょう。不必要に冗長になってはいけません。
オレンジ:日本語に訳すとわかりにくくなる表現は、具体化してわかりやすくしても構いません。
赤:「掲示は越える」という他動詞を用いた行為文よりも、「掲示は越えるものである」という存在文のほうが、日本語においては自然な表現である場合が多いです。

 

<<コメント>>

今回は、justice、display、crossなど、品詞を読み取ることが正しく英文を理解するカギとなっていました。きっちり構造を分析して品詞を限定できるようになりましょうね。

今回の課題の難易度は★★★★★★☆☆☆☆でした。

 

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